テレビゲーム

子供は大人と違って「視覚的記憶」が優れています。残虐な映像から大きな刺激を受けるので、そういう内容のものは厳禁です。また、仮想の世界と現実の世界との区別ができずに混乱するとか、ゲームで偏った刺激を受けると、脳の発達にも悪影響を及ぼすなどの問題点も指摘されています。テレビゲームとどうつき合うか、考えたいと思います。近ごろ、幼児向けに開発されたソフトが増えてきました。しかし、幼児向けソフトの知育効果を調べたアンケートによると、効果を感じた家庭は、ほんの1割ほど。つまり、ほとんど期待に沿うものではなかったということです。幼児向けソフトとは、幼児を教育するソフトでも、幼児に適したソフトでもなく、単に「幼児に操作可能なソフト」と思ったほうがよさそうです。

ソフトの対象年齢を見ると、3歳くらいからのものが多く、幼児用のコントローラーまであります。対象年齢が表記されていると、親の教育欲がくすぐられ、あたかもそれで遊ばせれば、頭が良くなるかのようなイメージをもってしまうこともあります。でも実際は、その年齢で必要な、ごくふつうの基本的な遊びのほうが、よほど教育効果があります。とはいえ、兄姉や親がゲームをやっている場合は、小さい子にはふさわしくないとわかってはいても、ダメと言い続けるのは難しいものです。また、5、6歳くらいになると、ゲームが友だちとのコミュニケーションの手段になることもあります。そうなると、頭から禁止することがよいともいえません。むしろ、幼児期に上手に利用できれば、年齢が上がったときも、うまく生活に取り入れていけるのではないでしょうか。そのための目安と、注意点をまとめてみました。

●時期

なるべく遅く与えましょう。

●内容

親が必ず内容のチェックをし、子どもまかせにしないこと。

●ルール

ゲームをする際のルールを決めます。ルールを理解できない年齢ではゲームをさせないことが大切です。与えたときからルールを守る習慣を身に付けさせます。親がルールを設ける理由をはっきりさせ、分かりやすい言葉で子どもに伝えます。ルールとしては、時間に制限をつける、生活での優先順位、テレビからの距離、買うきっかけ、など。

●コミュニケーション

ゲーム憎しとばかりに、ゲームに向かう子どもを無視したり、やみくもに禁止するのではなく、時には子どもの気持ちも受け止め、一緒に楽しむ余裕を持ちましょう。楽しみを共有することで、子どもが心を開き、「ルール」の意味を素直に納得してくれることもあります。また、親がゲームの害や子どもの興味、友だちの間での話題を知った上で、家庭なりのルールを作ることも、親子のコミュニケーションになります。ゲームを与える親の責任として、外でいっしょに遊ぶなど、スキンシップを増やすことが大切です。

●ルールは固く守らせる

家庭なりのルールができたら、毅然とした態度で守らせます。

●親も我慢して

親自身がゲーム好きな場合でも、子どもの前ではルールを守りましょう。我慢する姿が子どもへのお手本です。過激なものは子どもがいないときにします。


最も難しいのは、ゲームのおもしろさが分かってきて、しかも気持ちを抑えられない4~5歳くらいの時期でしょう。そんな時の対処例を、ご参考までに……

★上の兄弟がいる場合、同じ時間制限にして、兄弟に管理させる。子ども同士の管理は意外と効果大
★「お父さんはこんなにやっているのに僕はたったこれだけ?」と聞かれたら「父さんは35歳なので、1週間に35時間、~君は4歳だから4時間まで。おじいちゃんなら70時間。でもお父さんもおじいちゃんも全部しないんだ。頭が悪くなるから」と切り抜ける
★大人とチビものからだの完成度(目、脳など)が違うことを分かりやすく伝える
★親子のコミュニケーションがよければ、家の方針としてゲームをしないということも子どもは納得するもの
★小さい子ほど、本当は親と遊ぶのが好きだから、親の手が空きしだい、ゲーム以外の遊びに誘う

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