ベビーカー

赤ちゃんとの外出に欠かせないのがベビーカー。大きく分けて2ヶ月ごうから使えるA型と、7ヶ月ごろから使えるB型があります。しかし、最近は、このどちらでもない、いろいろなタイプを見かけます。そこで、A型とB型の遠いや、それぞれの性質、特長を紹介するとともに、便利そうな新しい4つのタイプについて、実際に使ってみた結果をお知らせします。

A型とかB型という言い方をよく聞きますが、これは、製品安全協会の規格による区分で、主な違いは、A型は、生後まもなくの外気浴を楽しむ時期から使えるタイプで、車輪が大きくて、赤ちゃんに伝わる振動が少なく、寝かせてのせられます。B型は、一人で座れる7ヶ月ごろになったら使えるタイプで、A型より軽く、コンパクトに折りたためるので、外出が増えたころから重宝します。どちらも2歳まで使えることになっています。振動のことやリクライニングなどを考えると、赤ちゃんにとっては、A型がいいのですが、操作性や置き場所、持ち運びのしやすさからでしょう、赤ちゃんが7ヶ月ごろになると、ほとんどの人がB型を使います。つまり、実際的にはA型を使う期間は短いので、おさがりやレンタルでいいでしょう。B型は、A型のあと二歳までずっと買い物や散歩、上の子の幼稚園や保育園への送り迎えなどに使う機会が多く買った方が待といえます。近頃のB型ベビーカーは、大手2社(アップリカとコンビ)が売り場を占めています。値段にはかなり幅が透りますが、それは主に柄やデザイン、附属品などの違いで、先輩ママ達によると、機能的には、ほとんど差はないといいます。しかし、それでも操作性は、お母さんの体型、体格によって好き嫌いが分れます。買うときは、まず、子どもを実際にのせてみて、動かしてみることです。そして、折りたたみ方を試してみることも大切です。

A型とB型のおもな違い

●年齢制限
A型…1ヶ月~2歳
B型…7ヶ月~2歳
●車輪の大きさ(外径)
A型…115mm以上
B型…115mm以上
●背もたれの角度(リクライニング)
A型…最大で150°以上
B型…110°以上

これまでは、ベビーカーというと、A型かB型かのどちらかでしたが、最近、どちらにも属さない通称AB形やC形などはA型に属されました。従来からのA・B型にも、製品安全協会の基準にそったSGマークがついています。SGマークは、構造や性能、強度や耐久性が、協会が定めている基準をクリアしているという認定をしたもので、製品の欠陥による事故に備えて、損害保険会社と対人の賠償責任保険の契約を結んでいます。しかし、SGマークのついていないものは、輸入品だったり、操作性や機能性を優先させたためにA・Bどちらのタイプにも規格があわず、SGマークをつけることができなかったのです。こういうものにも、原則としてメーカーによる品質保証や、製造物責任(PL)法に基づく保証があります。つまり何か事故があった時は、間違った使い方をしてないかぎり、SGマークがあれば保険金などが支払われますが、マークがないと、賠償責任はPL法によって、作ったメーカーか輸入業者、販売店のみにかかってくるということになります。そのためデパートなどには、販売店の責任を問われるのがいやで、今もって、SGマークの付いていないものを置かないところもあります。それでいて、お客に商品を置かない理由を聞かれると「商品の安全性に疑問があるので」といったニュアンスで説明することもあるようです。マークがついていないために、二の足を踏んでいる人も多いのです。ほんとうは、どんなものなのでしょうか。そこで、操作性などに特徴のある次の4種類を、使ってみました。

1 持ち運びに便利なタイプ……小さく折りたためて、軽いもの
2 乗り心地がよさそうな3輪タイプ……自転車のように空気の入ったタイヤで、ジョギングしても大丈夫
3 子どもを乗せたまま背負えるタイプ……階段や坂道も大丈夫
4 チャイルドシートにもなるタイプ……車での移動の時、子どもはシートにのせたままで、取り付けできるというものです。

アンブレラストローラー

軽くてコンパクトに折りたためます。たたむとカサ2本分くらいのボリュームになって、ラクに立てかけられますし、車に常備しておいてもジャマになりません。また、たたんだ状態でも転がしながら運べますから、電車で出かけるときにも便利です。前輪にキャスターがあって小回りがきき、後輪にはブレーキがあります。全体的にみて、使い勝手は悪くありません。ただし、シートの幅が狭くて子どもは身動きがしにくいし、押していても手に振動が伝わってくるほどなので、子どもの乗り心地はあまりよくなさそうです。

おんぶっこバギー

しょいこでも、ベビーカーとしても使えます。軽くて、押し手の高さも3段に変えられます。前輪が自在キャスターなので押しやすく、しょいこからベビーカーへもカンタンに変えられます。ただ、ベビーカーとしては、乗る子どもは背中を立てた格好になるので、眠くなっても、もたれかかって眠ることができず、ぐずってしまいました。また、しょいこでは、股ずれができたり、背負う親もあまりラクではなく、アイデア倒れのどっちつかずの商品です。

ジョギングストローラー

夕イヤは3輪で、自転車のように空気を入れて使います。タイヤが大きいこともあって、音や振動が少なく、子どもといっしょにジョギングが楽しめるというものです。たしかに、でこぼこ道でも振動やふらつきは少なく、少々の段差でもふつうに押せます。子どももゆったりと座れます。シートベルトは5点式で、押しているときのハンドブレーキとパーキングブレーキがついています。ただ、大きいので場所をとりますし、曲がるときは大回りになったり、前輪を持ち上げなければならないので、身体が大きく、腕力に自信がある人でなければ使い切れません。たたんでも、かなり場所をとります。

ドゥキッズ

前の3台とはちがい、新生児から2歳頃まで幅広く使えるというものです。車社会の欧米では以前からあったタイプです。部品を付け替えて、新生児からのファーストベビーカー、7ヶ月からのセカンドベビーカー、そして車にのせるベビーシートを兼ねるベビーキャリー&ラックの4種に使い分けられます。このドゥキッズ4を、2ヶ月の子をもつお母さんに使ってもらいました。ファーストベビーカーでは、上の部分をはずして、ベビーシートやラックとして使えるようになっています。そのとき、赤ちゃんはフラットに寝かせるのではなく、Ⅴ字型にしっかり固定します。なれないうちは、のせるときに嫌がって泣きましたが、慣れてくるとスヤスヤと眠るようになりました。ふつうのA型よりも小さく扱いやすく、動かすのもラクでした。キャリーやベビーシートとしてもワンタッチではずせるので、眠ってしまったときや、車に取り付けるときに便利です。ただ、このシートをはずさないとたためません。セカンドベビーカーとしては、ふつうのB型と同じで、折りたたみやすく、小回りもききます。B型にしては車輪が大きいので安定していますが、いまのB型は全般に軽量化されているので、重い部類に入ります。段差を越えるとき、ふつうは後輪の間の横棒に足をかけ、もち手に力をかけて前輪を持ち上げますが、これは、横棒が足をかけにくい位置にあるのが難点です。

使っているかぎり、製品自体に不安を感じるようなものはありませんでした。ただし、アンブレラストローラー、おんぶっこバギー、ジョギングストローラーの3台は、「帯に短し、たすきに長し」 といったところで、日常的に使うには少々無理があります。アンブレラストローラーは、値段が安くコンパクトなので、間に合わせのお出かけ用に、おんぶっこバギーは、子連れ旅行が趣味の親に、ジョギングストローラーは、広々とした郊外で、ジョギングを趣味にしている親にむくくらいでしょう。ドゥキッズは、車をおもな交通手段にしている家庭なら、出産後の退院から使えて便利ですし、別々に買うよりは割安です。先輩ママたちのも評判は良いようです。はじめはレンタル、お座りができるようになったらB型を買おうと考えている場合は、ふつうのB型の中から選べばいいでしょう。

ページの上へ