赤ちゃんの成長と育て方 - 2〜3ヶ月

顔の表情がはっきりしてかわいらしさが増してくるころです。

このころの赤ちゃん

あやすとにっこり笑います

2ヶ月ころになると、赤ちゃんの顔の表情は、かなりはっきりしてきます。お母さんがあやすと視線が合い、にこっと笑うことでしょう。新生児期の一人笑いと違って、この”にこっ”は赤ちゃんが社会の一員として仲間入りをしたあかしともいえる微笑です。このころの赤ちゃんは、お母さんだけでなく、視線の合った人にはだれにでも笑いかけてくるので、とてもかわいらしい時期です。

"喃語"(なんご)が始まります

赤ちゃんのごきげんがいいときに、赤ちゃんの話しかけが始まるでしょう。「ウックン」であったり、「アー」「ウー」や「アブ、 アブ」などさまざまに聞こえることでしょうが、これが言葉の原形となる喃語です。お母さんも赤ちゃんからの話しかけにこたえてあげましょう。まだ意味はわからなくても、赤ちゃんの心の発達にとってとてもたいせつなことなのです。

夜と昼のリズムができてきます

ある夜、気がついたら5〜6時間も泣かずに眠っていた、というようなことから、夜の授乳がなくなっていき、明け方まで 眠る子も出てきます。

飲みの減る赤ちゃんも

これは赤ちゃんが成長した証拠。いままで赤ちゃんは、満腹感がわかりませんでした。だから、疲れるまで飲んでいたのです。でも、2ヶ月過ぎるころから"おなかがいっぱいになった″"あまり飲みたくない″などという感覚が育ってきたのです。生理的反射で飲んでいたのが、自分の意思で飲むようになったとも言えるでしょう。

育て方のポイント

散歩やラックで遊びタイム

目も見え、耳も聞こえるようになって外界の刺激によく反応するようになった赤ちゃん。ベッドの中だけではかわいそうです。1日のうちの何時聞かは、お散歩やラックなどで遊ばせてあげましょう。散歩は、だっこもいいけれど、ベビーカーもいいですね。ベビーカーもラックも、背中が水平に近くなるように倒して、赤ちゃんを寝かせたままの姿勢が保てるようにします。ラックはお母さんの側において、お母さんが見えるように。一ぺんに長時間ではなく30分程度にします。

ベビードレスにさよなら

動きに活発に昼夜の区別もつき始めましたから、着るものもベビー服にはお別れしましょう。上下つながったオーバーオールのようなものは、動きがはげしくてもおなかが出ないのでぴったりです。夜は、パジャマに着がえさせでもいいでしょう。

スープも飲ませてみましょう

もう果汁を飲んでいる赤ちゃんなら、スープも飲ませてみましょう。いろいろな野菜とこぶ、かつおぶし、にぼしなどのだし材料といっしょに煮て、その上澄みのスープだけをすくつて飲ませます。スープも果汁と同じで、栄養のためではありません。いろいろな味に慣れさせるのが目的ですから、いやがるのを無理に飲ませることはありませんが、離乳の準備としてのワンステップです。果汁もいやがるときは、果物をかえてみたりするといいでしょう。みかんはダメだったけれどすいかは喜んで飲んだ、ということもありますから。スプーンでうまく飲めないときは、哺乳びんであげでもいいでしょう。

便秘にはこより浣腸もいいでしょう

よく太った赤ちゃんに多いようですが、このころになると便秘を気にするお母さんがふえてきます。3日も4日も便が出ないと、お母さんとしては心配になりますね。果汁を飲ませたり、マルツエキス(薬局に売っています)を飲ませても効果のないときは、綿棒で浣腸をしてみましょう。ベビーオイルをつけて、赤ちゃんの肛門にクルリと回転させながらさし込みます。綿の部分が全部入っても大丈夫。便秘しやすい赤ちゃんは、赤ちゃん体操などもしであげるといいでしょう。おふろ上がりや日光浴のときに、手や足を無理のないように曲げたり伸ばしたりしてみます。うつぶせの姿勢にしてあげるのもいいでしょう。

発達の安心アドバイス1
赤ちゃんの発達には、個人差がとてもあります。 「うちの子、発達が遅れてるようで不安」お母さんたちのよく感じる心配の一つが、この発達の問題です。でも、こうした心配はよく聞くと、「近所の子とくらべて……」という場合が多いもの。これはちょっと困りますね。というのも、公園などでお母さんがくらべる子というのは、実は1〜2ヶ月、月齢に差があることも多いのです。赤ちゃんにとっての1〜2ヶ月の差はとても大きく、くらべられるものではありません。

4ヶ月の子と6ヶ月の子では、発達段階からいっても全く違うものだということを忘れないでいましょう。そのうえ、赤ちゃんの発達には個人差があります。すべての赤ちゃんが母子健康手帳の目安どおりに発達するわけではありません。特に寝返りやハイハイはできる時期がその子によってかなり違います。たいせつなのは「コレができない」と一つの動作や現象にとらわれるのでなく、赤ちゃんがいまどの時期にいるのかをトータルに見ること。他の子とくらべるのは意味がないことでしよう。たとえ多少発達が遅れていたとしても、1才までの遅れは後の発達や知能にほとんど影響はありませんから、心配することはありません。もしほんとうに問題があるようなら、それは健診のときに注意を受けているはず。「経過を見ましょう」と言われていたとしても、ほとんどは大きくなって異常なしと判断されるので、心配しすぎることはないのです。お母さんに必要なのは、何ヶ月で何ができる、という発想ではありません。赤ちゃんの成長を、いっしょに喜んであげること。これがいちばん大事なのです。