赤ちゃんの成長と育て方 - 8〜9ヶ月

甘え泣きや後追いは、赤ちゃんの自我が育ってきたあかしです。

このころの赤ちゃん

おすわりがじょうずになります

危なげなく安定したおすわりが、8ヶ月中にはできるようになります。すわったまま、そばにあるおもちゃなどをとることも。

つかまり立ちできる赤ちゃんも

足の力も強くなってきます。おすわりの状態から物につかまって、途中まで腰を上げることもできるでしょう。何かにつかまらせて立たせしばらくの間は立っていることきます。でも、つかまり立ちは個人差が大きく、お誕生近くなってやっとできるようになる子もいますから、よその子と比較して心配することはやめましょう。

自分の意思が出てきます

お母さんを呼びたいとき、何かしてもらいたいときなど、しきりに 「アーアー」「プープー」などと声を出して、注意をひこうとするでしょう。また、ほしくて手を伸ばしたおもちゃをとり上げられたり、抱いてもらいたくて腕をさし伸ばしたのを無視されたりすると、泣いて怒ります。それだけ、自分の意思や自我が出てきたのです。赤ちゃんによっては人見知りが強くなったりもしますが、これも、赤ちゃんにとって、なによりお母さんがたいせつだということがわかってきたためです。「いちいちつきあっていたら何もできないわ」とお母さんがイライラすることもあるでしょう。でも、時間が許すかぎり、赤ちゃんの相手をしてあげるといいですね。お母さんを求めたときには、いつでもこたえてくれる、助けてくれる、という安心感は、赤ちゃんの心の支えともなり、この信頼感が、2〜3才の赤ちゃんの第1の巣立ちのベースになるのです。甘えのように見え、「自立した子になってほしいから」と突き放すには、まだまだ早すぎます。今はたっぷり
こたえてあげましょう。

人の言葉をまねようとします

お母さんが話しかけたり、歌ってやると、じっと口元を見つめたりするでしょう。そして「マンマ」などと言うと、一生懸命「マンマ」と言おうとします。

育て方のポイント

台所用品も大好きなおもちゃ

ハイハイができるようになると、いままで赤ちゃんには緑のなかった台所も、好奇心と冒険心を満たす場所になります。おなべやお玉は、おもちゃよりおもしろいおもちゃなのでしょう。ぶつければ音が出るし、台所にやってきては遊ぶようになります。こわれやすいガラス製品や瀬戸物類は、赤ちゃんの手の届かないところにしまい、遊んでいいものだけを幾つか、さわれるところにおいてあげるといいですね。

食事中のいたずらは?

離乳食の器の中に手を突っ込んで手づかみで食べたり、コップを振り回してこぼしたりと、食事中の赤ちゃんは大忙し。お母さんにとっては、あまりうれしいことではないでしょう。でも、これは赤ちゃんが成長した証拠。いままでは、お母さんが口に入れてくれるものは黙って食べていましたが、自分の意思が出てきたので、食べたくないときはつい遊んでしまったりするのです。マナーを優先させるか、赤ちゃんの発達を認めてしばらくの間、様子を見るかは、お母さんしだいといえるでしょう。ただ、何もかも自由にさせるのでなく、少しだけお皿にとって、それは好きなように食べさせるというのも一つの方法です。

発達の安心アドバイスB
へんなハイハイをするけど、大丈夫?
ハイハイにはいろいろなパターンがあって、みんなが同じようにできるようになるとは限りません。腹ばいになって、手足をハタハタさ せているうちに後ろへ動きだしてしまう赤ちゃん、両手を同時に前へ出して、まるで水泳のバタフライのように進む赤ちゃん、片手ずつ交互に出して進む赤ちゃん、とハイハイの始まりのスタイルは赤ちゃんによってさまざま。ハイハイしないで、いきなりつかまり立ちをする子もいます。「足が弱くなるのでは?」と心配するお母さんもいますが、そんなことはほとんどありませんので、安心してください。 どちらにしても、自分で自分の体を移動できるようになるということは、赤ちゃんにとって画期的なことといえるでしょう。ハイハイは赤ちゃんにとって、とてもいい運動です。ですから、なるべくハイハイをさせるよう、自由に動き回れる空間をつくってあげることです。 テーブルや鏡台などの家具も必要最小限にして、しばらく部屋の中を広くしてあげるといいですね。