育児の気がかりQ & A - 発達の心配(2)

はわないで立とうとする

ハイハイせず、その辺につかまってすぐ立とうとします。ハイハイをしなくても、体の発達に支障ありませんか。(9ヶ月)
つかまって立つのにちょうどいいものが、その辺にたくさんあれば、立ってしまうでしょうね。ハイハイしなければ体の発達に欠損部分が生じ、一生何か影響を残す、などということはありません。でも、ハイハイは体のいろいろな筋肉をバランスよく使うため、十分にした子としなかった子とでは、立ったときの筋肉の使い方に多少差がでるかもしれません。けれど、あまり大きな問題にはなりません。どんどん歩くことが上達して、さらに全体の筋肉を使うようになるからです。転び方一つでも、ハイハイ派は自分の身をかばうように、膝や手をついてうまく倒れることができるようです。そういう意味から言えば、十分にハイハイしたあと立って歩くのが理想的。
もうすぐ11ヶ月になるのに、ハイハイが大の苦手です。太っているせいでしょうか。(10ヶ月)
健診などでも、「ハイハイができない」という訴えはとても多いものです。統計的には10ヶ月の半ばごろにはだいたいの子ができるようになるとありますから、10ヶ月のお子さんならあまり心配することはないでしょう。ハイハイをせずにつかまり立ちし、伝い歩きをするようなら、ほとんど問題はありません。できない理由には、次のようなことが考えられます。一つは寝返りをするのむおそかった子。基本的に、あまりうつぶせが好きではない子ですね。おでぶちゃんの場合はこういうケースが多いですね。おなかがつかえたり胸がつかえたりするわけですから。自分の重さを自分で支えられないのです。こういうときは、つかまり立ちもおそくなることが多いものですから、まずはうつぶせの棟習をすることがたいせつ。うで立て伏せのような運動を繰り返してあげましょう。ダイエットなどする必要はありません。むしろ、食ベたいだけ食べさせ、よく運動をさせること。「やる気のない子」というのもいます。こんな子は、歩行器に入れたりすると、よけいに自分の体をコントロールすることを覚えません。むしろ部屋を広く、安全にとり、転がって遊べる環境をつくってあげることがたいせつです。移動のときにお母さんがすぐに手をさし伸べてしまうので、自分からなかなかハイハイができないというケースもあります。こんなときにも、うつぶせにしたり、体を支えてあげたりというトレーニングを。毎日根気よくすることがたいせつです。こまめに、手があいたらちょっと体操というのがいいですね。おもちゃで気をひくのもいい方法です。

変形ハイハイをする

間もなく1才ですが左足を曲げたおかしなハイハイばかりするので気になります。どこか異常なのでは?(11ヶ月)
いざって進むような、一風変わったスタイルのハイハイをする赤ちゃんがときどきいます。これも前の項のご質問と同様で、特にマヒなどの異常があれば、これまでの健診ですでにチェックされているはず。何も言われていなければ、単なる赤ちゃんの癖でしょう。つかまり立ちのときにちゃんと立てるなら、何も心配することはありません。たまには広いところなどでハイハイさせてごらんなさい。思わぬときに、違ったパターンのはい方を、赤ちゃん自身が見つけるかもしれません。

つかまり立ちができない

おすわりはするのですが、なかなか自分の力で立ち上がれないようなのです。おしりはもち上げても、ついハイハイになります。(10ヶ月)
つかまり立ちができるようになるのは、平均でも10ヶ月くらい。もちろんそれより遅い子もいます。まだ、10ヶ月くらいでしたら、さほど心配しなくていいでしょう。型としては、自分の力で何かにつかまって床から立ちあがるというのと、立たせてあげたら立っているというのがありますね。もし赤ちゃんがベッドやテーブルにつかまって体を起こそうとしているなら、完全におしりが上がっていなくても大丈夫。ちょっとおしりを上げるのをママが手伝ってあげれば、じきに自分ひとりでできるようになります。床から立ち上がろうとしているなら、手を持って引き上げてあげればいいでしょう。

人のまねをしない

チョキチョキやキラキラ、オツムテンテンなど、いわゆる赤ちゃんならやることをうちの子は見ているだけで、いっこうにまねしようとしないから心配です。(11ヶ月)
お母さんの働きかけが少なめだと、人に対する興味が薄くて、まねをしないことがあります。たとえ働きかけていても、問題はその中身。ただ「やりなさい、やりなさい」と言うのでは、赤ちゃんは動作を覚えません。
お母さん自身も楽しくその動作を繰り返ししていることで、赤ちゃんも「やってみようかな」という気持ちになるのです。こんなときは、お母さん以外の人と接する時間をふやすのも効果的です。外に出ていろんな人を見せる、公園でお兄ちゃん、お姉ちゃんが遊んでいるところを見せる。そのうえでお母さんもいろんな動作をしてあげる。この積み重ねがたいせつです。全く周囲の人やものにたいして興味や関心を示そうとしないのでなければ、まず大丈夫でしょう。

未熟児は発達も遅れる?

2ヶ月早く生まれました。体の発育も小さめですが、やることもほかの子よりおそいようです。いつになればみんなと同じになれるでしょうか。(1才)
ひと口に未熟児と言っても、500gに少しだけ足りなかった赤ちゃんもいれば、早く生まれたりして小さいという赤ちゃんもいます。満1才では、まだみんなに追いつけない子もかなりいるでしょうね。早産や未熟児であるために長く入院していた子は、その後の健診は専門医のいる病院できちんと受けることをおすすめします。早く生まれたための発育・発達の差は、その早く生まれた月数を修正してみて、特に大きな差がなければ必ず しも異常といえないこともあります。そして、その差が縮まっているようならば、まず心配はいらないと思われます。ですからいつまでも"未熟児"にこだわる必要はありません。元気に過ごしているのなら、特別過保護にすることも、逆に無理な訓練をすることもないのです。

言葉が出ない

まだ言葉がでません。「アーアー」とかは言うのですが、先日の健診で「一度検査をしておいたら」と言われ、びっくり。私の語りかけが少なかったのでしょうか。(1才8ヶ月)
言葉が出ないという中身には、二とおりのことが考えられます。一つはしゃべりそのものがおそいということ。もう一つは大人の言っていることの理解が遅いということ。たとえば「目はどこ?」と聞くと目をさす、「おじいちゃんは?」と言えばその人をさす、つまり、いろいろなことの理解ができている、そのうえで耳は聞こえているのであれば、しゃべりだしがおそいというのはほとんど気にしなくていいでしょう。それから最近多い問題の一つとしては、親がしゃべりすぎる、というのがありますね。返事までお母さんがしてくれるから、子どもがしゃべる必要がないのでは、自然、話すのがおそくなってしまいます。先回りしすぎないようにすることも必要ですね。また、一方的で会話にならないしゃべり方では、子どもにとってはテレビと同じ。言葉の受け答え、キャッチボールができるようなしゃべり方が大事ですよ。チェックポイントは、たとえば簡単な指示に従って行動できるか、こちらの言ったことが理解できているか、というところ。1才6ヶ月くらいで「マンマ、ママ」などの単語が数個出ていれば問題はありません。
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