症状からみる病気と家庭看護 - ひきつけ・腹痛・泣き方

ひきつけ

こんなときは急いで病院へ

熱性ケイレンなら心配ない

高熱の出始めに手足を硬直させ、白目をむいてひきつけることがあります。これは「熱性ケイレン」といって、大半が心配のないものです。5分以内に落ち着いて、あとはケロリとしている、ウトウト眠るなどのときは、安心して大丈夫。夜間なら、翌朝の診療時間まで待って病院に行ってもおそくありません。憤怒ケイレンといって、はげしく泣いたあとにひきつける場合も、心配ありません。たびたび起こるようなら、一度医師の診療を受けます。

長くつづくとき、意識がおかしいとき

5分以上ひきつけがつづくとき、ケイレンが止まったあとぐったりしたり、体の動きが変なとき、何度もケイレンを繰り返すときなどは、大至急病院へ。熱がないのに、突然ひきつける場合は、「テンカン」の疑いもあります。早めに医師の診察を受けましょう。

手当のポイント

ひきつけを起こしたときは、静かに見守るのが第一です。衣服が窮屈そうならゆるめ、呼吸を楽にしてあげます。体を揺すったり、抱き上げたり、大声でさわがないようにします。舌をかむ心配はありませんから、そつと寝かせておきます。吐くこともあるので、顔を横に向けてくびの下に丸めたタオルを当てるとよいでしょう。余裕があれば、「いつ、どんなふうに、どのくらい」など、ケイレンの様子を観察して、受診のとき医師に報告します。

腹痛

こんなときは急いで病院へ

はげしく泣く、ぐずり泣きがつづく

赤ちゃんは「おなかが痛い」と言うことができません。ですから、腹痛でも頭痛でも、とにかく泣いて訴えます。よく観察すると、痛い部分にしきりに手を持っていったり、体をよじらせたりして表現することもあります。便秘や腸にガスがたまっておなかが痛い場合は、ぐずり泣きが多いかもしれません。

苦痛を訴えている様子は?

えびのように体を屈曲させて火がついたように泣くときは、かなり腹痛もはげしいと考えましょう。腸重積などが疑われます。赤ちゃんの苦しそう、痛そうな様子を、お母さんが敏感に察知してあげることが第一です。いかにも「これは普通でない苦しみ方だ」と感じたら、至急医師の診察を受けましょう。冷や汗をかいていたり、顔色が悪く、嘔吐があれば、いっそう急を要します。赤ちゃんの重い腹痛は生命にかかわることが少なくないのです。

家庭看護のポイント

3日も排便がなく、おなかが張って苦しそうなときは、おなかをマッサージしたり、浣腸してあげます。下痢で痛そうなら、腹部を暖めてあげると楽になります。苦しそうにしていて、血便が出たときは至急病院へ。下痢や粘液便、嘔吐があるときは、早めに医師の治療を受けます。

泣き方

始めにチェックしたいこと

赤ちゃんの「言いたいこと」は?

日常生活の中の快・不快の区別、たとえばごきげんなときは泣きませんが、暑い、寒い、かゆい、痛い、苦しい、こわいというときには泣いて訴えます。一概に、どんなとは言えませんが、不快のと きには気むずかしそうな泣き方や、はげしく訴えるような泣き方をします。また何か欲求があるとき、甘えたい、おなかがすいた、眠いなどの表現も泣き声でします。目や表情からもその意図をくみとれますが、泣き声からもせつないような雰囲気が伝わってくるでしょう。

体を総点検してみましょう

赤ちゃんが泣いたときは、まずあやしてみます。顔色がよく、元気で力強い泣き方なら、心配は少ないものです。あやしても泣きやまないときは、赤ちゃんの体を全身チェックしてみましょう。衣服を脱がせて泣きやむようなら、衣服にチクチク痛いごみや虫がついていたのかもしれません。衣服にトラブルがなければ、おむつが汚れていないか調べます。そして、おなかがすいていないか、どこかに、おできや傷ができていないか、鼻詰まりはないか、熱はないか、もものつけ根や陰嚢がはれていないか、くび筋や耳など体のどこかをさわると極端に痛がることはないか、などを点検します。どこにも"変"なことがなければ、2~3時間様子を見ましょう。気分転換に、散歩やドライブをするのもよいでしょう。

こんなときは急いで病院へ

弱々しい、はげしすぎる

泣き声がだんだん弱々しくなり、ぐったりしてきたら、大至急病院へ連れて行きます。逆に、火がついたような泣き方を長時間つづけたり、何度も思い出したようにはげしい泣き方をするときも、できるだけ急いで医師の診療を受けます。体を折り曲げるように泣き、吐き気があれば腸重積の疑いがあります。頭を振ったり、しきりに耳に手をやるときは中耳炎、熱があって首を動かしたりするといやがるときは髄膜炎の心配があります。高熱、はげしい下痢や嘔吐、ケイレンなどがあれば、早めに医師の治療を受けるのが原則です。

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