育児の気がかりQ & A - 気になる癖

抱き癖がついた?

抱き癖がついてしまったようで、ベッドにおろすとすぐ泣きます。しかたなく抱き上げると泣きやむので、結局一日じゅう抱いていることになってしまいます。(1ヶ月)
赤ちゃんが泣く原因は、空腹、おむつの汚れ、どこかが痛いなどいろいろ考えられますが、第1位は「原因不明」、だそうです。抱けば泣きやむというのなら、ママの事情さえ許せば、いくら抱いてあげてもかまいません。抱っこは赤ちゃんにとって「心の栄養」ともいわれます。まして1ヶ月ではまだ抱き癖、甘ったれになるなどと考える必要はありません。お母さんにとってはたいへんでしょうが、泣いたら抱いてなだめてください。お母さんのなだめは赤ちゃんの心の健康にとてもたいせつです。

おとなしすぎて心配

あまり泣かない子です。ほうっておくと、ベッドの中でひとりで手足を動かしたりしながらニコニコしています。おとなしすぎて心配。(4ヶ月)
生まれつきよく泣く子もいれば、おとなしい子もいて、それはその子の個性です。ただ気をつけなければいけないのは、おとなしい赤ちゃんだと、よく泣く赤ちゃんにくらべ、ついお母さんの手のかけ方が少なくなって、母と子のふれ合いが足りなくなりがちだということです。お母さんが手をかけ、声をかけることによって、赤ちゃんはすくすく発育・発達していくのです。泣かないからほうっておくというのではなく、声かけやだっこはマメにするよう心がけてください。

指しゃぶりがはげしい

ひとりでベッドでおとなしくしているなと思うと、必ず指をしゃぶっています。相手をして遊んであげていればしゃぶらないのですが。(7ヶ月)
人間は生まれつき"吸う″という能力を持っているので、生まれるとすぐおっぱい飲めるのです。それと同じで、自分の指をしゃぶることも発達のあかしの一つでもあるわけです。乳児期前半の指しゃぶりは、そのような意味で、手と口の動きを結びつけることができるようになった証拠であると考えてよいのです。幼児期までずっと、それも一日じゅう暗い表情で指を吸っている場合は、ママやパパとのかかわりが足りなくはないか、不安をなだめてあげることが少なくないか、自虐に遊ぶことができなくて退屈していないかなど反省してみましょう。いずれにせよ、一日じゅう指をしゃぶっているという場合が問題なのであって、1日のうち限られた時間だけ、たとえば眠る前だけといったような場合は、気にせずにほうっておいてかまわないのです。歯への影響も、一日じゅうしゃぶっているというのでなければそれほど心配は要りません。

おふろが嫌い

おふろ嫌いで困っています。足を湯につけただけで大泣きするのです。かといって、おふろに入れないわけにもいかず、毎日が大騒ぎです。(8ヶ月)
赤ちゃんは本来水に入るのは好きなはずなのです。でもそれは自分が安心できるときのこと。おふろを嫌うのは、大人は気づかないけれど、こわい思いや不安な体験をしたからかも。とりあえず、いまは泣くのですから、さっと汚れを落とす程度に簡単に切り上げ、安心して楽しい体験をさせましょう。これまでのおふろの入れ方も見直してみる必要がありそうですね。乱暴すぎないか、清潔にと思うあまりしつこくなりすぎてはいないか。おふろは楽しく入ることを第一に、親子の遊び場のつもりで入れてあげたいもの。新しいおふろのおもちゃを買って楽しく遊ぶのも効果があるかもしれません。

床に癖を打ちつける

何か気に入らないことがあると、うつぶせになって腕立て伏せの要領で床に頭を打ちつけます。そのまま知らん顔をしていると、泣きながらいつまでもやっているのです。十分かわいがっているつもりなのですが、まだ愛情不足なのでしょうか。(11ヶ月)
いわいるヘッドバンギングといわれる行動ですね。大人にかまってもらえない赤ちゃんがする場合が多いのですが、お母さんがよく観察していると、頭を打ちつけそうなときはわかると思うので、そんなときにはすぐ抱き上げ、あやし、なだめてあげましょう。十分かわいがっているとのことですが、そのかわいがり方をちょっとふり返ってみてください。お母さんの一方的なかわいがり方になってはいませんか。子どもが求めてきたときに、十分に応ドしてあげたり、あたたかく受け止め、なだめているでしょうか。お母さんと赤ちゃんの関係を見直すことも必要だと思います。

なんでも左手に持つ、左きき?

スプーン、フォーク、歯ブラシな右手に持たせてもすぐ左手に持ちかえてしまいます。このまま左ききになってしまうのでしょうか。(1才)
まだ1才では左ききかどうかの判断はできません。最初に手渡すときに右手に持たせてやるのはよいですが、左手で使っているものを右手に持ちかえさせることはしないほうがよいでしょう。この年齢ではまだ手の運動機能自体が不十分なのですから、できるほうの手で自由にやらせたほうがよいのです。右きき、左ききは、その人の脳の右半球、左半球のどちらが優位かということで決まってくるので、それに逆らって練習するということは、本人にとってはとてもたいへん。右ききの人が左手を中心に使うことがどれほどたいへんかということでもわかると思います。もし将来左ききになったとしてもさほど不都合はないと思いますが、もし直させたいと思うなら、両手を使えるようにというつもりで、無理のない程度に使っておいて、本人の自覚が出る年ごろになってから親子で考え、話し合って決めていけばよいでしょう。

所かまわずかみつく

すぐ人にかみつく癖があります。抱かれているときもガブリ、遊んでいるときもガブリ、所かまわずかむので痛くてたまりません。(1才2ヶ月)
赤ちゃんから幼児期の始めのころは、たたく、ひっかく、引っぱるといったような攻撃方法をまだ持っていないし、多少できても効果があるほどには力がないのです。そこでかみつくことは唯一絶大な攻撃と防御の手段になるわけです。この赤ちゃんはどこかでかみつくことがすごく効果があることを学習したのでしょう。赤ちゃんはちゃんと効果のある方法だけをやるのですね。いずれにしても、そう長くはつづきません。かみつくこと以外の方法、たとえば言葉などをつかって自己主張することができるようになれば、自然にかみつかなくなってきます。とりあえずは、「だめよ」とやさしく言って、ほかの遊びに誘い込み、気分転換をしてあげましょう。

オナニーをやめさせたい

オチンチンをさわってばかりいま食事中も片手でいじりながら食べているほど。なんとかやめさせたいのですが。(1才3ヶ月・男)
眠る前に性器いじりをします。ほうっておいたらどんどんひどくなってきたようです。(2才・女)
オナニーは、男の子にも女の子にもよくあることです。特に男の子は、さわりやすい場所にさわりやすい形であるので、おむつがえ、おふろ、おまるなどで目につけばふれてみるのはあたりまえです。最初は偶然に始めたことが癖になっているだけで、いずれ遊びが活発になっていくと忘れてしまうものですから、気にすることはありません。基本的にはほうっておいてかまわないのです。大人の性に対する感情を持ち込んで、悪いことをしているというようなしかり方はけっしてしないこと。やめさせたければ、目についたときに声をかけてほかの遊びに誘ってみたり、戸外で活発に遊ぶ時間を多くするなどして、少しずつ忘れさせていくことです。眠る前に多いようなら、床につくときにはお母さんが本を読んであげるとか、お布団に入って手遊びをしてあげるなど、気をそらす方法を考えて。